本来ならシ-ト中央部分にある夏目漱石の肖像が印刷漏れエラーの為消えてしまっています。
なぜこのような印刷漏れが起ったのか諸説あるようです。
まず第一に印刷工程での印刷漏れミスが考えられます。
しかし当然出来上がったシートは検品を受けます。シート中央部のメインの夏目漱石の肖像画が消えているシートを
検品の際に見落とすことは考えづらいです。
第二に、これは私見となりますが、第一集の夏目漱石は20世紀シリーズの切手の題材をアンケートで募集し応募数(279,607通)の中から抽選で1000名に個人のオリジナル切手シートが送られました。
その個人オリジナルの切手シートは、当選者が自由に写真を送り、空白になっている夏目漱石の肖像部分に
個人オリジナル写真が印刷されたものを贈呈する、というものでした。
大多数の当選者は記念になるので写真を送りオリジナル切手シートを1部もらいました。
ここで極少数の人が印刷する写真を送らなかったため空白のままの個人のオリジナル切手シートが
当選者におくられたと考えられます。
つまり印刷工程ミスではなく、大蔵省印刷局は、写真部分が空白であることを承知の上で贈呈したと考えられます。
通常の切手シートには、余白に時代を象徴する人物の夏目漱石が印刷されています。
また1000人の当選者の大部分は、そこに個人オリジナル写真が印刷されています。
そして理由がどうであれ、描かれているはずの夏目漱石が抜けているので結果的には印刷漏れエラーとみなされてしまった。
この夏目漱石肖像印刷漏れシートは、極少数しか存在しない貴重な切手シートです。
20世紀デザイン切手第1集オリジナルシートは2004年(平成16年)10月12日テレビ東京放送のなんでも鑑定団で紹介されています。