【1】概要:
・西独Lorenz社が1960年代に製造したフルレンジユニット=LP1326を25mm厚のパインムク集成材による重量級後面部分開放型エンクロージャーにセットしたシステムのペアです。
・出品のユニットは60年前に制作された家庭用音響機器に使用されていたものにもかかわらず、現時点においてもベストに近いサウンドを奏でます。
・特にこのユニットの口径(130mmX260mm)はフルレンジ再生に適しており、超軽量コーンを小型強力マグネットで駆動しているので、素晴らしいサウンドになっています。
・Lorentz社は1960年代以降、Telefunken, Graetz, Grundigなど多くのメーカーにユニットを供給していました。
・本システムは、音楽ソースは特に選ばずオールマイティにOKです。
・音を聴くと古さは全く感じられず、シングルフルレンジから素晴らしい音楽が流れてきて驚きます。
・JAZZの場合、太く逞しいサックス、トランペット、そして量感豊かなウッドベースの響きが、オーディオをやっていてよかったと思わせます。
・またクラシックのオケや弦の重奏では、音楽の重心が下がり重厚で優雅な雰囲気が十分すぎるほど出てきます。
・1950~60年代のJAZZ, クラシックの愛好家に強くお勧めいたします。

【2】ユニット、システム仕様:
・型式:Lorenz LP1326
・口径:13cmX26cm
・コーン:超軽量
・エッジ:フィックスド
・インピーダンス:4.5Ω(アンプ出力は4~16Ωで問題ありません)
・能率が非常に高いことから、能率を犠牲に無理やり創り出した特性ではないことが分かります。
・巧みなコーン形状、最適なサイズのマグネット、センターキャップなどの工夫で能率を犠牲にせず得られた優秀な特性といえます。
・これにより入力信号に対し、全くストレスを与えずに蛇口全開の生き生きした音が出てくるものと思われます。

【3】エンクロージャー:
・型式:後面部分開放型(ROTE)
・後面にも音が拡散されますのでスケールが大きな音が得られています。
・サイズ:幅27.6cm、高さ38.6cm、奥行25.0cm
・材質:天地側面は25mm厚のパイン集成材、バッフル、裏板はMDFです。
・板厚、重量が有りますので不要な雑音は抑え込まれ、深くクリアな低音が安定して出てきます。
・外装:100、240番のサンドペーパーで研磨し、次にワトコのナチュラルオイルと600番のサンドペーパーで繰り返し研磨仕上げています。
・サランネット:黒のジャージネットによる頑丈なサランネットが付属します。
・入力端子:2Pのハーモニカ端子でYラグ、またはケーブルむき出し線が接続可能です。
・またバナナプラグ、極太ケーブルなどほとんどのタイプのスピーカー端子が接続可能な金メッキ金属削りだしのアダプターが標準装備されています。

【4】音質
・以下の感想は主観ですのでご承知おきください。
・能率は高いので小出力の真空管アンプでも十分な音量が得られることは確認済です。
・まずレファレンスCDのJAZZピアノトリオ、Pim Jacobs Trio 「Come fly with me」を試聴しました。
・クリアで良く伸びるウッドベースの音が印象的です。
・シンバルの音も大口径フルレンジと思えない澄んだ音を聴くことが出来ます。
・ピアノはアタックの鋭い快感を伴う音です。
・現代的なソースでも透明感ある再生が可能と思います。
・SACD「アートペッパーミーツリズムセクション」では4人の楽器が見事に分離し、またステレオ効果が大変高い再生です。
・アルトサックスの押出しが素晴らしく実在感のある生生しい音です。
・次に大ホールで録音されたMONTY ALEXANDERの「UPLIFT」を試聴しました。
・ピアノの低音(ペダル含め)、高音が大きなホールに反射してくる様子が良くわかります。
・ピアノトリオですがスケールの大きな演奏が楽しめます。
・クラシックとして大きなホールで録音された高品質のフィリックス・アーヨ+イ・ムジチの「四季」を試聴しました。
・バイオリン、チェロなどのの倍音がきれいに再生されます。
・ホールの大きさがうまく再生されていると思います。

【5】測定データ
・周波数強度結果を示します。
・赤い線が周波数強度分布です。
・左右の特性、能率は揃っており、全体に高能率フルレンジらしい自然で素直な特性と思います。

【6】その他
・スタンドは含みません。
・ブログ
 http://geo80002002.livedoor.blog/archives/cat_347256.html